論理1–6年生
順番の推理
だれが背が高い?だれが年上?だれが先に着いた?こうした論理パズルでは、いくつかの比較をつなぎ合わせて、一列の順番にまとめなければなりません。背の順のことも、年の順のことも、列や競走での位置のこともあります。多くの子どもにとって、これは初めての推理の鎖です。手がかりの一つひとつが鎖の輪で、どれも抜かすことはできません。
- 解き方のカギ
- 線を引いて、全員をその上に並べる
- 身につく力
- 手がかりを1本の線にまとめ、比べる文を両方から読む力
手がかり「ユイはリクより背が高い」「エマはリクより背が低い」「ゴウはエマより背が低い」↓ 一列に並べる
線のルール
ユ背が高いリ「ユイはリクより背が高い」
手がかりはどれも矢印
「ユイはリクより背が高い」なら、線の上でユイはリクより前に来ます。比べているのが背の高さでも、年齢でも、競走の順位でも、手がかりが言っているのは、だれが先に来るかです。
ユイ>リク「ユイはリクより背が高い」=「リクはユイより背が低い」
逆からも読む
「リクはユイより背が低い」は、「ユイはリクより背が高い」と同じことを言っています。線に並べる前に、どの手がかりも言いかえて、全部が同じ向きを指すようにそろえます。
ユイはエマより背が高いユリエ
鎖はつながっていく
ユイがリクより背が高く、リクがエマより背が高ければ、そう言う手がかりがなくても、ユイはエマよりも背が高いことになります。
手がかりの向きをそろえる
どの手がかりも「背が高い」を使って言いかえてから、一つひとつ線に加えていきます。手順ごとに、線に新しい人が1人加わります。
| 手がかり | 「背が高い」で言うと | ここまでの線 |
|---|
| 「ユイはリクより背が高い」 | ユイはリクより背が高いユイはリクより背が高い | ユイ>リクユイ > リク |
|---|
| 「エマはリクより背が低い」 | リクはエマより背が高い↻ 言いかえたリクはエマより背が高い | ユイ>リク>エマユイ > リク > エマ |
|---|
| 「ゴウはエマより背が低い」 | エマはゴウより背が高い↻ 言いかえたエマはゴウより背が高い | ユイ>リク>エマ>ゴウユイ > リク > エマ > ゴウ |
|---|
解き方:線を引く
いちばん背が高い人からいちばん低い人へ、あるいは最初から最後へと線を引き、手がかりを一つひとつ、確かなものから順に線の上に置いていきます。まだ置けない人は、次の手がかりを待ちます。下の例題は、いちばんやさしい問題から算数オリンピックの問題へと進みます。
- 1手がかりの向きをそろえる
- 2確かな手がかりから、線に並べる
- 3答えを読み取り、すべての手がかりと照らし合わせる
ユ青い輪:この手順で加わるもの?まだ空いている場所ユリ組:いつも隣り合う2人
赤、青、緑の3そうのボートが競走しました。赤のボートは、青のボートより後にゴールしました。緑のボートは、青のボートより先にゴールしました。勝ったのはどのボートですか。
?赤?青?緑
1最初の手がかりを言いかえます。赤は青より後にゴールしたので、青は赤より先にゴールしました。
2線の上では、左がいちばん先です。まず青、その次に赤。緑のボートは青より先にゴールしたので、両方より前に入ります。緑、青、赤の順です。
3線の先頭は緑のボートです。確かめ:赤は青より後、そのとおり。緑は青より先、そのとおり。
答え 1緑のボートが勝ちました。
食堂の列に、レナ、ソウ、マオ、ジン、タクの5人が並んでいます。マオは3番目です。ジンはマオのすぐ後ろです。ソウはレナより前のどこかにいて、レナはいちばん後ろではありません。いちばん後ろに並んでいるのはだれですか。
レレナソソウママオジジンタタク
1確かなことから書き入れます。マオは3番目で、そのすぐ後ろのジンは4番目です。残る1番目、2番目、5番目に、ソウ、レナ、タクが入ります。
2レナはいちばん後ろではないので、1番目か2番目です。ソウはレナより前のどこかにいるので、レナは1番目にはなれません。レナが2番目、ソウが1番目です。
3残った場所は5番目だけで、そこがタクの場所です。手がかりを全部確かめると、どれも成り立っています。
答え タいちばん後ろはタクです。
アヤ、カイ、ヒロ、メイ、セナ、フウの6人が競走し、同着はありませんでした。カイはアヤのすぐ後にゴールしました。ヒロはメイより後、アヤより先にゴールしました。フウはセナのすぐ前にゴールし、セナは最後ではありませんでした。メイは1位ではありませんでした。勝ったのはだれですか。
アアヤカカイヒヒロメメイセセナフフウ
1組を見つけます。「カイはアヤのすぐ後」からアヤ・カイの組が、「フウはセナのすぐ前」からフウ・セナの組ができます。メイ、ヒロ、アヤ・カイの組は、この順に並びます。
2メイは1位ではないので、メイより先にゴールした人がいます。ヒロ、アヤ、カイはみなメイより後なので、メイより前に入れるのはフウとセナだけです。そしてこの組は、いっしょに入ります。
3だから、レースの先頭はフウ・セナの組です。フウ、セナ、メイ、ヒロ、アヤ、カイの順になります。手がかりのとおり、セナは最後ではありません。どの手がかりも成り立っています。
答え フ勝ったのはフウです。
つまずきやすいところ
MathTrail は、間違った答えを一つひとつ、どのひっかけにかかったのかから解説します。このテーマでよくあるひっかけを、お子さまへの声かけの例と一緒に紹介します。
- ひっかけ
条件を1つ見落とす
子どもは、ある手がかりは使っても、別の手がかりを見落とします。見落とすのは「ない」のついた短い手がかりであることが多く、線には間違った答えの入る余地が残ってしまいます。
「レナはいちばん後ろではない」を見落とす子ども1ソ2タ3マ4ジ5レ正解1ソ2レ3マ4ジ5タ
- ひっかけ
多い・少ない、前・後をとりちがえる
「エマはリクより背が低い」を、エマのほうが高いかのように線に置いてしまいます。手がかりを逆の端から読んだので、答えも逆になります。
「エマはリクより背が低い」子どもエ背が高いリ✕正解リ背が高いエ✓
声かけ
「じゃあ、背が高いのはだれ?反対から言ってみよう」
- ひっかけ
とき方のとちゅうで止まる
子どもは、だれかがだれかより背が低いとわかったところで、それを答えにしてしまいます。でも鎖はまだ続いています。リクはユイより背が低いけれど、エマはもっと低いのです。
「リクはユイより背が低い」「エマはリクより背が低い」いちばん背が低いのはだれ?子どもユ背が高いリ正解ユ背が高いリ背が高いエ
家庭でできること
- 01
家族で一列に並ぶ
家で家族みんなで、背の順に、次に年の順に並んでみましょう。手がかりは一つひとつ、「お父さんはお母さんより背が高いから、お父さんが先頭」のように声に出して言います。
- 02
答えの前に線
答えを聞く前に、紙に線をかいてもらいましょう。図があれば、抜けている手がかりや、逆向きに置いた手がかりがすぐにわかります。
- 03
反対から言う
すぐにできるゲームをしてみましょう。「ネコはイヌより小さい」と言ったら、お子さまは反対から「イヌはネコより大きい」と言います。